法科大学院修了生が注意すべき面接時の服装
Q.面接に呼ばれたのですが、どんな服装で当日訪問したらいいのでしょうか。
A.学部新卒時に就職活動を行っていない多くの法科大学院修了生にとって、「面接の際に、どのような服装で行くべき」かは不安要素の一つだと思います。以下にパターンごとに解説します。
企業側から服装の指定がない場合
原則、スーツで面接に臨んでください。その際、学部新卒の就活生が着用しているような、いわゆる“リクルートスーツ”を着用するか否かで悩まれる方も少なくないと思いますが、下記のように、応募する採用枠に応じて使い分けるのが得策です。
■学部新卒枠の求人
→リクルートスーツ
下記懸念点はあるものの、他のライバルとなる候補者もリクルートスーツを着用しているため、同様の服装で臨んだ方が、悪目立ちせずに済み、無難だと思います。
■上記以外の求人(中途採用枠、ロー卒新卒枠、司法修習生枠等)
→ビジネススーツ
出来れば、一般的なビジネスパーソンが着用しているようなビジネススーツで臨んでください。法科大学院修了生は、学部新卒枠で就職活動を行う大学生と比してご年齢を重ねている分、リクルートスーツを身にまとうと、ややいびつに映るおそれがあります。
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企業側から、「服装は自由」と明示された場合
浮世離れした印象を与えない服装であれば、自由な格好で構いませんが、そうした印象は、受け手の価値観に左右されるところがありますので、基本的には、オフィスカジュアル・ビジネスカジュアルが一番リスクが少ないと思います。
逆に、「スーツはダメなのか?」という疑問を持つ方もおられますが、スーツでも構いません。
ただ、“法科大学院修了生=真面目で堅すぎる”という偏見を持つ採用担当者が少なくありませんので、他の候補者がカジュアルな服装で面接に臨む中で、スーツで現れたときに、その偏見が強化されるおそれがあります。
ご自身のキャラクターと照らし合わせ、面接での受け答えを通じて、「真面目で堅すぎるという心証を与えそうだ」と予想される場合には、あえてスーツは避けるということも考えてもいいかもしれません。
企業側から、「カジュアルな服装で」と指定された場合
このケースでも、やはり、「スーツはダメなのか?」という疑問が生じると思いますが、わざわざ、「カジュアルで」と指定されていますので、それに従い、オフィスカジュアルで臨むのが無難です。ちなみに、企業側が「カジュアルな服装で」と指定して来る理由は主に以下になります。
・堅苦しい格好から解放された、応募者の素の姿を見せて欲しい
・服装から、人柄を見極めたい
・オフィス内で働いている社員(面接官含む)がカジュアルな服装なため、そことのバランスを取りたい
服装を選択される際は、これらの観点も意識してみるとよいと思います。
【筆者プロフィール】
齊藤 源久
法科大学院修了後、大型WEBメディアを運営するIT企業にて法務責任者、事業統括マネージャーを担当した後、行政書士事務所を開設。ビジネス法務顧問として、数十社のベンチャー企業の契約法務や新規事業周りの法務相談を担う。
2014年より、株式会社More-Selectionsの専務取締役に就任。前職での採用責任者の経験・長年の法務経験・司法試験受験経験などを生かし、法科大学院修了生の就職エージェント業務、企業の法務部に派遣する法科大学院修了生向けの法務実務研修の開発・実施などを担当している。
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