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就職ノウハウ

法務部に就職するための競争戦略

Q.法務部門に就職するための戦略を教えてください。

A.

鉄則は、(1)法務経験者との競合を出来るだけ避ける、(2)同じ司法試験経験者(法科大学院修了生)と差別化するという2点になります。

 

【鉄則1】法務経験者との競合を出来るだけ避ける

カードゲームのルールのように、企業の選考においては絶対的に「法務経験者」>「法務未経験者」という図式が出来上がります。そのため、法務経験者と競合しにくい以下のような求人に応募して行くことが有効な戦略となります。

 

<純粋法科大学院修了生枠求人>

超⼤手企業を中⼼に毎年1名ずつほどの枠を設けて、法科⼤学院修了⽣を採⽤している企業が あります。そうした企業の求人においては、最初から法科大学院修了生を採用する意欲が高いため、法務経験者とはまず競合せず、経験面を理由に落選となることは原則としてありません。 ただし、その数は年に10~20数社と極めて少なく、各求⼈の倍率は50〜100倍前後と、 競争は極めて苛烈です。

 

<リピーター求人>

当社は2007年から、法科⼤学院修了⽣を企業に紹介し続けておりますが、⼊社後に評価を 一気に上げる方が多く、 「採⽤するなら次も法科⼤学院修了⽣を」 と、リピーターとなって法科⼤学院修了⽣を採⽤しようとする企業があります。倍率も高くても10~15倍ほどと、法科⼤学院修了⽣にとっては、 チャンスが非常に⼤きな求⼈となります。

 

<司法試験OBOG求人>

当社が⾏う司法試験経験者の就職⽀援事業に対し、事業内容に共感して協⼒を申し出て くれる元司法試験受験⽣の社会⼈が少なからずおられます。そうした方々が部下を持てる⽴場になり、⾃分の部下として法科⼤学院修了⽣を 採⽤したいとお声掛けいただくこともあり、そうした求⼈も、リピーター求⼈同様、 法科⼤学院修了⽣にとってチャンスが非常に⼤きな求⼈となります。

 

<法務経験者採用に苦戦している企業の求人>

現在、法務の経験者は圧倒的に売り手市場となっております。それに伴い、⻑期間求⼈を出しているにも関わらず、法務担当者を採⽤するに ⾄らない企業が少なくありません。そういった企業が、法科⼤学院修了⽣の 法的素養の高さに着目して、採⽤に踏み切るケースが近年増加しています。つまり、「法務経験者があまり応募して来なそうな求人ほどチャンスが大きい」ということになります。

 

【ケース➊】給与が他の経験者求⼈よりも低い求⼈(300万円台)

法務経験者が圧倒的な売手市場の今、経験が1年あるだけで年収400万円以上で 転職出来るケースが非常に多いです。そのため、年収レンジが低めの求人については、法務経験者は応募して来ない傾向があります。

 

【ケース➋】「法務業務」の割合が少ない求人

法務経験者は法務業務のみをやりたいという志向の方が多いため、法務業務の割合が 減れば減るほど(その分、総務・労務・⼈事といったバックオフィス系の業務が増えます)求人の⼈気が下がる傾向にあります。法務業務の割合が3割ともなると、ほとんど法務経験者は 応募して来ないと考えてよいかと思います。

※⼈事総務労務の経験者も法務3割の求⼈については、応募に二の⾜を踏みがちです。 法的素養がない中で法務業務を3割も⾏うことに恐さを感じる方が多いようです。

 

【ケース➌】地方が勤務地となる求人

地方における法務経験者の絶対数は非常に少ないと言えます。法務部は本社機能であり、 例えば●●県で法務経験者⾜り得るためには、Uターン人材でない限り、原則、●●県本社で法務部を持てる規模の企業に 勤めているという条件が必要になります。さらに、年齢による絞り、現在転職活動中という 条件が付加されると、地方においてライバルとなる可能性のある法務経験者は極めて少ないことになります。

 

【ケース➍】雇用形態が正社員でない求人

社会の流れ上、おそらく、この数年のうちに「正社員」であることの恩恵は小さくなって行くと予想されますが、少なくとも現状は正社員に対する解雇規制があるため、身分保証という観点から、「正社員」の求人のみに応募したいと考える方が非常に多い状況です。

逆に、契約社員(有期雇用契約)の求人、紹介予定派遣の求人については、応募者が少なく、ざっと正社員求人の応募者の半数以下となるケースが多いです。

そのため、雇用形態を問わずに応募が出来る方は、競争を避けて就職活動を行うことが可能になります。

 

 

【鉄則2】同じ司法試験経験者(法科大学院修了生)と差別化する

司法試験経験者(法科大学院修了生)が就職するパターンは4つしかありません。どの戦略をとるのかを、ときに長期的視点も持ちながら吟味することが重要です。

 

<スペックで圧倒>

年齢の若さや学歴等のスペックで他の応募者を圧倒して、競争に打ち勝つ戦略になります。 年齢にして27歳以下、学歴は⼤学・法科⼤学院共に早慶以上となりますと、こちらの パターンで就職出来る確率が高いかと思います。もっとも、スペックは相対的なものになりますので、上記に当てはまらない方でも、自分自身のスペックで勝てるフィールドを探し、そこでスペック勝負を仕掛けるという戦略も有り得ると思います。

 

<英語力で差別化>

英語⼒が高い場合(目安として、TOEICで最低700点以上)、英語⼒がないと応募できない求⼈にも応募できるため、 法科⼤学院修了⽣同⼠の競争も避けることができ、⽐較的、ゆるやかな競争 の中で内定を目指すことが出来ます。また、英語⼒が高いことで、 「地頭の高い⼈材」という印象を与えることができ、その点でも差別化となります。

 

<実務経験(又はそれに近い経験)で差別化>

企業が選考で何よりも重視するのが「実務経験」です。そのため、法務職に就職しようと 思うのであれば、「法務実務経験」が何よりも⼤きな武器となります。数ヶ月の 法務派遣経験、法務アルバイト経験、法務でなくても何かしらの企業内での就業経験が ありますと、他の法科⼤学院修了⽣との相対評価という観点で、圧倒的に有利に選考を 進めることが出来ます。こうした理由から、当社では法務の派遣にも ⼒を⼊れておりますので、ご関⼼がお有りの方はその旨、お声掛けください。

法務派遣にご関心のある方はコチラ

 

<ニッチ求人に応募して競争を避ける>

他の司法試験経験者(法科大学院修了生)があまり応募して来ないような求⼈に応募をし続けて、競争を 避けながら内定を勝ち取るパターンになります。競争を避けやすい求⼈の類型としては、 ①有名企業でも大企業でもない求人、②法務業務の割合が少ない(又はゼロ)な求⼈、③地方勤務の求⼈(意外に思われるかもしれませんが、東京23区以外の求人(東京都立川市、神奈川県、埼玉県、千葉県etc.)については、ライバルが激減するケースが少なくありません)、④⼊口の雇⽤形態 が正社員でない(契約社員、紹介予定派遣)求⼈です。法務割合ゼロの求⼈ですと、 応募者は0〜2名ほど、地方勤務求⼈で0〜3名ほど、正社員以外の求⼈では、 正社員求⼈に対する応募者数の約半分まで応募者数が落ち込みます。 差別化できる明確な武器がない中でも、勝てるフィールドで勝負することで内定を獲得出来る可能性は少なくありません。

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